クライシス

「私はヒトリでも大丈夫。
　もう泣かない。強く生きていける。」
―嘘。

諦めようとしてきただけなの
いつでも　人は　前を向いて
未来の希望を支えにしようとするけれど
その先の現実は決して甘い夢じゃない
それを身体で思い知ったあの日から
もう　私には　期待が　重くて　重すぎて。

「強いね」「君なら大丈夫」「がんばって」
どれも私が欲しがってた言葉だけど
違うんだよ
私そんなに強い人間じゃない

心の底ではね　たった一人に
一晩中抱きしめて言って欲しい
もう闘わなくていいんだと　強がらなくていいと
でもやめとくね　人に求めすぎるといけないから
助けられなくても
私の悲鳴　見抜いてくれれば　それだけでいい

でも現実は残酷で　寒い
君と温め合えたとしても　きっと
届かない　消せない　変わらない
今は　君まで傷ついてしまうだけかもしれないから
荊の道を　もう少しヒトリで歩くよ
お願い「強いね」って言って